HONDA Deauville
へんなインプレ
スイスでHONDA Deauville NT700(2009 model) に乗って4日程走ってきたので、ちょっとインプレ(走行距離1480Km)
比較対象は HONDA BROS P2 NT400 (1988-90 model) 比べるなら、 BROS P1 NT650と比べるべきだろうと思うけど、まぁ、許して
HONDA Deauville は BROS P1 NT650 の海外モデルNTV650 の後継車(だと思う) HONDAイタリアがデザインしスペインで製造しているらしい。
国内では数百台しかないだろうレア車で、実車を見たことは三重県の道の駅で1回しかない。
実はかなり乗ってみたかったバイクで、今乗っている BROS P2から乗り換える候補に考えていた。スイスでバイクレンタルを探した際に、バイク屋とのメールで、Hornet 600 なら貸せるとの返事だったが、実際に店舗に行ったら Deauville があり、先方の好意もあって、ほぼ下ろしたてホヤホヤのDeauvilleが借りられたのだった。
●乗りやすさ
はじめて運転するのに しかも、小雨の中 高速にのってびゅーんと120キロ巡航してなんも怖くない 乗りやすい。
大型シールドが風をうまい具合に上に流すので、スピード感を感じない。レマン湖ほとりで高速巡航中に虫の群れにつっこんだが、大型シールドにより、虫が上方へビュンビュン吹き流されていった様が凄かった。
足つきと取り回し ぺったんこに踵まで付いてややガニ又になるBROSに比べると、やや高く、踵が少し浮く程度。重心はやや低いのか停止時の安定性は高い。
BROS+数十キロの重量にしては、取り回しは楽。
かなり高いアップハンドルと、真っ直ぐ下にあるフットペダル類により、たいへん乗りやすい。免許を取った時の教習車 CB750Kよりも乗りやすい。「ロイヤルサルーンですか、これは?」
初めて乗ったその日に300キロ走って、ほとんど疲れない まぁ、これはスイスの交通事情にもよるが 全くストレスが無いライディングポジションに、「楽すぎて寝る」むしろ「楽すぎて悲しくなった」
●エンジン特性
NT400と比較して、「20年の歳月と1.7倍のエンジンは力強い」と書きたいところだけど、そんなでもない ツアラー寄り味付けのせいか どのギアでもスムーズに加速して 「あれれー」と感じる。むしろ、重くなった分、低速域ではBROS400の方がより多少力強いと錯覚してしまう。Vツインのドコドコ感は殆ど感じられない。
エンジンを回すとBROSに乗り味が近くなってくるが、高速巡航ではBROS400とは比較にならないほどの巡航性能を見せる。
最高速度が120キロのスイスや130キロのフランスだと、周囲の流れに乗るために、それぐらいの巡航速度は必要で、BROS400だと悲鳴が出そうになるスピード。 追い越し時 140キロ超え、150キロでもそんなに怖くない これが「高速ツアラーなのかー」と思った。ドイツのアウトバーンへ行かなければ、スイスでは必要十分、日本だとオーバースペック
次に峠での走り。20年の歳月とABSは、ブレーキや下りコーナーで殆ど不安を感じさせない このブレーキと是非交換したい。
登りをバリバリ登って行く時の感覚は BROS400に非常に似ている。ようやくVツインの面白さを感じた。下りでの走りは、向上したブレーキ性能によりかなり快適で、コーナリング性能も上がっている。BROS400の方がセンシティブな走りになる。
●搭載性
標準装備の大型ケースには、着替えなどがさっくり入ってとてもいい メットホルダーがあるのかないのかは最終日までわからなかった。
●その他
燃費リッター23キロくらい。大容量タンクはニーグリップがややしにくい(あくまでBROS比)が、ツアラーなので気にならない。
●総評
スイスの、高速道路が利用しやすい道路事情からすると Deauville はかなり良い。何より疲れないので、連日ぶっ通しでバイクを走らせるというのなら、この乗りやすさは必要。旅行者としてならDeauvilleを選ぶ。
通常の走りをすると「乗っていて面白い」というレベルには達しないので、面白さではBROS400かなと思う。
次に買うバイクとしては・・・ うーん、BROSの中古をまた探してしまうだろう。